独身の頃の話ですが、真夜中に突然、海が見たくなったことがあります。

特に落ち込んでいたとか、悩んでいたとかと言う訳ではないのですが、無性に真夜中の海が見たくなりました。思い立ったら吉日で、すぐにバイクに乗り、夜の海までひと走り・・・
すると、途中の信号待ちで、バイクに乗った友達にバッタリ会いました。

　

だち　　「こんな時間からどこに行くんだ？」

私　　　「ちょっと海まで、行ってくる？」

だち　　「何しに？海まで行くの？」

私　　　「なんもしないよ！ただ、見てくるだけ！一緒に行くか？」

だち　　「俺、もうガソリンあんまり入ってないんだ！」

私　　　「俺だって、あんまりガソリン入ってないよ！」

　

ここで、信号が青になりました。そこで・・・
「ガス欠になったら、バイク、押して帰ってくればいいだろ！」と叫びながら、スタートしました。
すると・・・友達が後ろからついてくる・・・
結局、友達と２人で、真夜中の海を見にバイクを走らせたのです。

今でこそ、ガソリンスタンドは２４時間営業とかってありますが、当時は、そんなもんはあるはずもなく、本当にガス欠覚悟で真夜中の海まで行きました。

無事到着し、真夜中の海を見ながら、男２人、くだらない話をして、帰路に着きました。
もう、ガソリンはほとんど残っていません。
しかし、途中で予備タンクに切り替えることにはなりましたが、結局、２人とも何とかガソリンは間に合い、バイクを押すこともなく無事帰ってきました。

帰ってきたら、一緒に行った友達が・・・

　

だち　　「あの時さぁ！　ガス欠になったら、バイク、押して帰るってお前言っただろ？」

私　　　「あ〜でも、本当にガス欠にならんくて良かったな！」

だち　　「あの言葉！俺！すごく感動してさぁ！　だから、着いて行ったんだ！」

　

私　　　「はぁ〜？お前それ！ドラマの見過ぎ・・・」