貧乏ツーリング

学生時代は、貧乏学生だったので、ツーリングと言っても貧乏ツーリングばかりでした。宿泊なんかは、当然野宿です。テントなんて持っていないので、仲間のバイクを並べて、その上にシートをかぶせ、バイクとバイクの間に寝るという感じでした。すきま風は多かったですが、エンジンの暖気が残っていたりして、それなりにポカポカして、なんとか寝れるものです。あるツーリングの時、夜遅くまで走っていて、そろそろバイク並べて寝ようかと思っていたのですが、なかなかいい場所が見つからないことがありました。道の両側は、行けども行けども林ばかりで、とてもバイクを止めて寝れる感じではなかったからでです。寝床を探しながら深夜に走っていると、ちょっとした交差点に出て、その交差点の所にちょっとした駐車場みたいな場所がありました。周りは林に囲まれていて、真っ暗でしたが、まぁ～なんとか寝れると思って、そこにバイクを止め、バイクとバイクの間に、友達と潜り込んで早々に寝てしまいました。

何だろうと思って笛の吹く方を見てみたら、女性が笛を吹いているのが見えました。
よくよく見ると、その女性はバスガイドさんのようでした。さらに、よくよく見ると、その女性は笛を吹いて観光バスを誘導しています。あれ？と思って、少しそのバスガイドさんの方に歩いていって、よくよく見ると、そこにはホテルが・・・そして、沢山の観光バスが止まっています。

次の瞬間、バスガイドさんの冷たい視線を感じました。その後、何台かの観光バスが、私たちの寝ていた横を通過して行きます。その度に、観光バスに乗っている人たちが、笑ってこっちを見ているのが見える・・・恥ずかしいのを通り越して・・・