安全で怖い乗り物

よくバイクは危ない乗り物だっていう事を耳にします。確かにバイクは車と違って、体をむき出しの状態で走りますし、タイヤも２個しかありませんから、不安定に感じることもあるでしょう。

でも、これはあくまでも私見ですが、バイクはきちんと乗っている限りは、とても安全な乗り物だと思っています。小回りもききますし、いざという時の加速や減速の性能だって、決して悪くありません。しかし一方で、怖い乗り物だとも思っています。若い頃は、バイクにまたがると気が大きくなるというか、どことなく攻撃的になると言うか、そんな感じでバイクに乗っていることも多く、つい自分の力量以上のことを、なんのためらいもなくやってしまうってことが、どうしてもありました。みんながみんなではないと思いますが、昔バイクに乗っていた私と同世代の人や、今、バイクに乗っている若い人なんかは、少しは思い当たるふしがあるのではないでしょうか？

これまたあくまでも私見ですが、バイクの怖い所は、バイクにまたがった時に、温和な、または冷静な精神状態でいられなくなる場合があることのような気がしています。峠なんかを走っていて、他のバイクに抜かれたりしたら、猛然と追いかけてしまう・・・再びぶち抜くためには、少々の無理は承知でコーナーに突入する・・・先の見えない林道で、なんのためらいもなくジャンプしてしまう・・・そんな経験があるのではないでしょうか？

私はもちろんあります。若い頃は、押さえがなかなか効かなくて、どうしてもそうなっていました。大抵は、そういったものが事故につながっています。大事故にならなかったのが不幸中の幸いと言うか、奇跡みたいなもんだと思っています。

年を取った今・・・若い頃に比べると、少しは温和で、そして冷静な精神状態でバイクに乗れているのかなぁ～なんて、ちょっとだけですが、実感しています。